国立研究開発法人
新エネルギー・産業技術総合開発機構

世界初、相対速度100km/hでの無人航空機の衝突回避試験を実施 ―搭載した各種センサーで有人ヘリコプターを探知し自律的に衝突を回避―

ニュースリリース 2019/07/25

NEDO、(株)SUBARU、日本無線(株)、日本アビオニクス(株)、三菱電機(株)、(株)自律制御システム研究所は、福島県、南相馬市、(公財)福島イノベーション・コースト構想推進機構の協力のもと、7月24日から25日に、広域飛行空域(福島県南相馬市)で、相対速度100km/hでの中型の無人航空機の自律的な衝突回避試験を世界で初めて実施しました。

具体的には、カメラやレーダーなどを搭載した中型の無人航空機が40km/h程度で飛行し、正面から60km/h程度で前進飛行してくる有人ヘリコプターを探知し、自律的に衝突を回避する飛行試験を行いました。

今後、衝突回避システムを確立することで、災害対応や物流などの分野における無人航空機の実用化を推進します。さらに、より小型の無人航空機への機能搭載を見据えた社会実装を推進します。

なお、本試験は、2017年11月22日にNEDOと福島県が締結したロボット・ドローンの実証等に関する協力協定に基づく取り組みの一環です。


1.概要

一般にドローンと呼ばれる小型の無人航空機や、それよりも一回り大きく、より大きなセンサーなどを搭載できる中型の無人航空機は、既に農業分野などで利用が広がり、さらには災害時の物資運搬や遭難者捜索、物流インフラなどの用途が大いに期待され、運用数は増加しています。しかし、無人航空機とドクターヘリなどの有人航空機のニアミスの実例※1が国内で報告されるなど、衝突回避技術は、安全利用のための喫緊の課題となっています。また、衝突回避技術は、無人航空機の実用化に必要とされる、「目視外飛行※2」および「第三者上空飛行※3」の実現に欠かせない技術です。

このような背景のもと、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、物流、インフラ点検、災害対応などの分野で活用できる無人航空機の開発を進めるとともに、安全に社会実装するためのシステム構築および飛行試験などを実施するプロジェクト※4を進めています。具体的には、運航管理システムの開発、衝突回避技術の開発、国際標準化活動に取り組んでいます。

今般、NEDO、株式会社SUBARU、日本無線株式会社、日本アビオニクス株式会社、三菱電機株式会社、株式会社自律制御システム研究所は、福島県、南相馬市、公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構の協力のもと、7月24日から25日に、広域飛行空域(福島県南相馬市)で、相対速度100km/hでの中型の無人航空機の自律的な衝突回避試験を世界で初めて実施しました。

具体的には、カメラやレーダーなどを搭載した中型の無人航空機が40km/h程度で飛行し、正面から60km/h程度で前進飛行してくる有人ヘリコプターを探知し、自律的に衝突を回避する飛行試験を行いました。

今後、本試験で得られた検証結果などを踏まえて衝突回避システムを確立することで、災害対応や物流などの分野における無人航空機の実用化を推進します。さらに、準天頂衛星システムを用いてより正確な計画経路への復帰や、より小型の無人航空機への衝突回避システムの搭載を見据え、無人航空機の社会実装を推進します。

なお、本試験は、2017年11月22日にNEDOと福島県が締結したロボット・ドローンの実証等に関する協力協定※5に基づく取り組みの一環です。


2.実施した試験の内容と結果

<目的>

  • 有人ヘリコプターが接近する状況において、無人航空機に搭載した衝突回避システムが設計通りに機能し、自律的に衝突回避することを確認する。

<方法>

  • 中型の無人航空機と有人ヘリコプターを、相対速度100km/h(無人航空機:40km/h程度、有人ヘリコプター:60km/h程度)で接近させる。
  • 中型の無人航空機に搭載した各種センサーからの探知・識別データに基づき、衝突を回避する経路が生成され、この回避経路に沿って無人航空機が飛行することを確認する。
  • 有人ヘリコプターを回避した後、元の飛行経路に復帰することを確認する。

<結果>

  • 衝突回避用センサーにより有人ヘリコプターを適切に探知・識別することを確認した。
  • 探知・識別したデータを元に、自動的に衝突判定を行い、衝突回避経路が生成されることを確認した。
  • 生成した衝突回避経路を飛行し、自律的に衝突回避できることを確認した。
  • 衝突回避後、事前に設定した飛行経路に復帰することを確認した。

衝突回避システムおよび衝突回避試験の詳細については別添参照。


3.今後の予定

本試験の結果を踏まえ、本年度下期には、離島を模擬した実環境において自律的に衝突を回避する無人航空機の飛行試験を行う予定です。


3.今後の予定

【注釈】

※1 有人航空機のニアミス案件の実例
🔗「航空機と無人航空機、無人航空機同士の衝突回避策等について(国土交通省航空局、2016年11月8日)」のp16参照。
※2 目視外飛行
無人航空機の操縦者が自分の目によって無人航空機の位置や姿勢および航行の安全性を確認できない飛行のこと。長距離の物流やインフラ点検には必須であるが、実現には操縦者の目視に代わる安全措置の実施や、衝突回避技術の実装などが必要。
※3 第三者上空飛行
無人航空機の運航に関与しない第三者の上空を飛行すること。市街地などで物流を実施する場合などに必須であるが、実現には、高い安全性や信頼性を確立する技術が必要。
※4 プロジェクト
事業名:ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト
実施期間:2017年度~2021年度の5年間を予定
2019年度予算:36億円
🔗ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト
※5 ロボット・ドローンの実証等に関する協力協定
NEDOと福島県の連携を強化し、「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」において福島ロボットテストフィールドを積極的に活用することでロボット・ドローンの実用化を加速させ、福島イノベーション・コースト構想の推進とロボット・ドローン産業の活性化を図るべく、2017年11月22日に締結された協定。
なお、協定の正式名称は「福島ロボットテストフィールドを活用したロボット・ドローンの実証等に関する国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構と福島県との協力協定」。
🔗NEDOと福島県がロボット・ドローンの実証に関する協力協定を締結

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